【乾燥収縮・木取り・木工継手(もっこうつぎて)】専門用語の解説その4

【乾燥収縮・木取り・木工継手(もっこうつぎて)】専門用語の解説その4

木材加工のプロセスを知ろう!「乾燥収縮」「木取り」「木工継手」のポイントを解説

木材家具が好きな人や、一枚板テーブルに興味がある人なら、木材加工の用語に少しでも触れたことがあるかもしれません。この記事では、そんな木材加工の中でも特に重要な3つの用語、「乾燥収縮」「木取り」「木工継手」について、わかりやすく掘り下げて解説します。それぞれのポイントを押さえることで、木材家具の奥深さや職人技術の魅力をもっと感じられるはずです!

1. 乾燥収縮

木材が縮むってどういうこと?

「乾燥収縮」という言葉、聞いたことありますか?木材は伐採された直後、内部に多くの水分を含んでいます。この水分が抜ける過程で、木材が縮んでしまう現象のことを乾燥収縮といいます。例えば、丸太を切り出したばかりの木材をそのままテーブルに加工すると、数か月後には天板が波打ったり、反り返ったりするかもしれません。これは、木材が乾燥する際に起こる体積の変化が原因です。

乾燥収縮が家具に与える影響

家具を作る際に、乾燥収縮を無視することはできません。もし乾燥が不十分な木材を使うと、完成後に割れたり、反ったりするリスクが高まります。一枚板のような大きな木材の場合、特に慎重な乾燥管理が必要です。職人たちは、家具が完成した後も安定した形を保てるよう、乾燥収縮を予測しながら作業を進めます。

乾燥収縮を防ぐためのプロセス

木材の乾燥には大きく分けて「自然乾燥」と「人工乾燥」の2種類があります。

  1. 自然乾燥
    自然乾燥では、木材を風通しの良い場所に保管し、ゆっくりと水分を抜いていきます。この方法は数か月から数年かかることもありますが、木材にストレスをかけず、質感や強度を保つ点で優れています。
  2. 人工乾燥
    人工乾燥では、乾燥炉を使い、温度や湿度を制御しながら短期間で木材を乾燥させます。効率的ですが、急激な乾燥によって木材が割れるリスクもあるため、細かい調整が必要です。

職人の知恵と技術

乾燥収縮を理解し、適切に管理することは、職人にとって基本中の基本です。木材がどの程度収縮するのかを計算し、加工のタイミングを見極めることで、長く愛される家具を作り上げるのです。


2. 木取り

木取りって何?

「木取り」とは、原木をどのように切り出して板や部材を作るかを計画する工程のことです。木取り次第で、家具の仕上がりや木材の無駄が大きく変わるため、非常に重要なプロセスです。特に一枚板や無垢材家具のように、木目が美しい製品では、この木取りがデザイン性を左右します。

木取りの方法いろいろ

木取りにはいくつかの方法があり、それぞれ仕上がりの見た目や特性が異なります。

  1. 柾目取り(まさめどり)
    木材を縦方向に切り出す方法で、直線的で均一な木目が特徴です。収縮が少なく、家具として安定性が高いですが、材料の無駄が多くなることが欠点です。
  2. 板目取り(いためどり)
    横方向に切り出すことで、年輪が湾曲した自然な木目が現れます。一枚板テーブルでは、この板目の美しさがよく活かされますが、反りやすい性質があるため注意が必要です。
  3. 交互木取り
    柾目と板目を組み合わせた方法で、木材の無駄を抑えつつ、美しさと強度をバランスよく引き出す技術です。

木取りのポイント

木取りでは、木材の木目や節の位置を見極め、どのように切るのが最適かを計画します。例えば、節がデザインのアクセントになる場合もあれば、強度を損なう原因になることもあるため、使用目的に応じて最善の判断が求められます。

木取りが生み出す価値

美しい木目を最大限に活かした木取りは、家具に自然の魅力を与えます。また、無駄を抑えることで、環境への配慮やコスト削減にもつながります。職人の経験と技術が光るプロセスの一つです。


3. 木工継手(もっこうつぎて)

木工継手とは?

木工継手とは、木材同士を結合するための接合技術のことです。木材家具を製作する際、単に接着剤や金属で固定するだけではなく、木材そのものを使ってしっかり結合する伝統技術が活用されます。この方法は、強度が高いだけでなく、見た目の美しさも兼ね備えているのが特徴です。

代表的な継手の種類

木工継手には多くの種類がありますが、特に代表的なものを紹介します。

  1. ほぞ継ぎ
    木材の端に「ほぞ」という突起と、それに対応する穴を作り、組み合わせて結合する方法です。耐久性が高く、家具や建築で幅広く使われています。
  2. 相欠き継ぎ(あいがきつぎ)
    木材の一部を欠いて重ねるシンプルな方法で、接着剤を併用することで強度が増します。
  3. 組子(くみこ)
    複数の木材を細かく組み合わせて模様を作る技術で、障子や伝統的なインテリアに使用されます。装飾性の高さが魅力です。

継手のメリット

木工継手の最大の利点は、木材同士の強度を保ちながら美しさを引き出せる点です。また、修理がしやすく、環境にも優しい技術として評価されています。

現代の木工継手

伝統技術である木工継手は、現代のCNC加工技術と組み合わせることでさらに進化しています。これにより、より高精度で美しい接合が可能となり、工業製品でも高品質な継手が実現しています。


まとめ

木材加工に欠かせない「乾燥収縮」「木取り」「木工継手」という3つの要素を解説しました。それぞれが家具製作に深く関わり、製品の品質、美しさ、耐久性を左右する重要な役割を果たしています。

  • 乾燥収縮は木材の安定性を確保するための基本プロセス。
  • 木取りは原木を効率的かつ美しく使うための職人技。
  • 木工継手は木材同士を強く結びつけ、デザイン性を高める接合技術。

これらを理解することで、木材家具への愛着がさらに深まるはずです。次に家具を選ぶ際には、ぜひこれらの要素にも目を向けてみてください!

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